契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
「副社長?」
黙り込んだ和樹に首を傾げる黒柳に向かって、楓のお団子頭を思い浮かべたまま口を開いた。
「いや、家では妻もリラックスしてるよ。完全に気を抜いた姿は……会社での彼女とはまったく印象が違う。皆見たら驚くんじゃないかな」
自然と口もとに笑みが浮ぶ。誰も知らない家での彼女を目にしたのは自分だけだという正体不明の優越感を覚えていた。
「完璧に家のことをしてくれるというわけではないが、私はそれを望んでいない。ただそういう妻と一緒に過ごすだけでリラックスできるんだ」
言いながら、和樹は、金曜日の夜なぜホテルへは行かずに自宅へ直帰することにしたのかという答えに辿りついていた。
久しぶりに空いた自由な時間、ただ彼女の顔を見たいと思ったのだ。
そして思い通り、彼女と過ごしたひとときが和樹の一週間の疲れを癒したのか、今週も和樹はスッキリとした気持ちで仕事に打ち込めている。
「そうなんですね。……意外です」
黒柳が面白くなさそうに答えた。
「ちなみに、ご夕食は奥さまの手料理だったんですか? 会社での奥さまの感じだと、失礼ですが料理をされるというのも意外です」
そう言って試すような目でこちらを見る。その言葉に、楓と一緒に食べたカレーが頭に浮かぶ。ゴロゴロ野菜と赤い福神漬けが美味しかった。
「カレーだったよ」
答えると、黒柳がマスカラをたっぷりのまつ毛をパチパチとさせた。
「カレーですか……。それは……本場のスパイスを使った本格カレー?」
「いや。ごく普通の市販のルーを使ったカレーライスだ。甘口だった」
なにも取り繕うことなくそのままを口にすると、バックミラー越しの一ノ瀬がわずかに微笑んだ。
「市販のルーを使った……?」
解せないというように、黒柳が呟いた。
三葉和樹の妻が作る料理としては、やや庶民的すぎるということだろうか。
確かに和樹がパーティで知り合うご令嬢たちは結婚が決まると料理教室に通うと聞いたことがある。
もし楓がそうならば、市販のルーを使ったカレーライスは少しイメージと違うだろう。
でもそのカレーを自分が美味しく食べたことは確かなのだ。
イメージなどどうでもいいという気分になった。
黙り込んだ和樹に首を傾げる黒柳に向かって、楓のお団子頭を思い浮かべたまま口を開いた。
「いや、家では妻もリラックスしてるよ。完全に気を抜いた姿は……会社での彼女とはまったく印象が違う。皆見たら驚くんじゃないかな」
自然と口もとに笑みが浮ぶ。誰も知らない家での彼女を目にしたのは自分だけだという正体不明の優越感を覚えていた。
「完璧に家のことをしてくれるというわけではないが、私はそれを望んでいない。ただそういう妻と一緒に過ごすだけでリラックスできるんだ」
言いながら、和樹は、金曜日の夜なぜホテルへは行かずに自宅へ直帰することにしたのかという答えに辿りついていた。
久しぶりに空いた自由な時間、ただ彼女の顔を見たいと思ったのだ。
そして思い通り、彼女と過ごしたひとときが和樹の一週間の疲れを癒したのか、今週も和樹はスッキリとした気持ちで仕事に打ち込めている。
「そうなんですね。……意外です」
黒柳が面白くなさそうに答えた。
「ちなみに、ご夕食は奥さまの手料理だったんですか? 会社での奥さまの感じだと、失礼ですが料理をされるというのも意外です」
そう言って試すような目でこちらを見る。その言葉に、楓と一緒に食べたカレーが頭に浮かぶ。ゴロゴロ野菜と赤い福神漬けが美味しかった。
「カレーだったよ」
答えると、黒柳がマスカラをたっぷりのまつ毛をパチパチとさせた。
「カレーですか……。それは……本場のスパイスを使った本格カレー?」
「いや。ごく普通の市販のルーを使ったカレーライスだ。甘口だった」
なにも取り繕うことなくそのままを口にすると、バックミラー越しの一ノ瀬がわずかに微笑んだ。
「市販のルーを使った……?」
解せないというように、黒柳が呟いた。
三葉和樹の妻が作る料理としては、やや庶民的すぎるということだろうか。
確かに和樹がパーティで知り合うご令嬢たちは結婚が決まると料理教室に通うと聞いたことがある。
もし楓がそうならば、市販のルーを使ったカレーライスは少しイメージと違うだろう。
でもそのカレーを自分が美味しく食べたことは確かなのだ。
イメージなどどうでもいいという気分になった。