契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
「美味かったよ。だけど福神漬けの取り合いになった」
あの時を思い出し、和樹は言う。口もとに笑みが浮かぶ。
「取り合い……ですか?」
黒柳が首を傾げる。
「ああ、ふたりとも福神漬けに目がなくてね。私の方がカレーを多く食べたんだが、彼女は、福神漬けについては半分半分にするべきだと言って譲らなかった。……だから……言い合いになって!」
事情を話しながらついに和樹は笑いだす。福神漬けが好きなのは事実だが、本当ならあそこまでこだわる必要はない。
だけど、さも重要なことのように言う楓を見ていたら、少しからかいたくなったのである。
なぜか彼女と一緒にいると自分の中の忘れていた感情を刺激される。
彼女とのやり取り自体を楽しみたいと思うのだ。
結局福神漬けは、ふたりして笑いながらちょうど半分に分けた。
黒柳が白けたように「そうですか」と言って口を閉じた。
一ノ瀬がくすりと笑みを漏らした。
すると今度は、運転手が口を開いた。
「副社長、そういえばあの日のケーキはいかがでした?」
黒柳の雑談に、普段はあまり乗らない和樹が今日は機嫌よく応じている様子に釣られたようだ。
「奥さまは、喜ばれましたか?」
あの日の帰り道、和樹は、妻への土産にするからケーキを買える店に寄ってほしいと運転手に頼んだのだ。
彼は、それならばと言って本社近くにある有名な洋菓子店に寄ってくれた。
帰り道は同行していなかった黒柳が「ケーキ……?」と呟いた。
「帰り道にお寄りになられたようですね。有名洋菓子店エトワールに」
同じく同行はしていなかったが、運転手の日誌で和樹の立ち寄り先を把握しているであろう一ノ瀬が口を挟む。
こっそり楓への土産を買っていたことを口にされて、和樹はいたずらがバレたような気分になった。咳払いをしてから答える。
「ああ、喜んでいたよ。ありがとう」
「それはよかったです。あそこのケーキなら間違いないですからね」
ケーキなど普段は食べない和樹は、どこの店がいいかまったくわからなかった。
だから彼に店を選んでもらったのだ。
あの時を思い出し、和樹は言う。口もとに笑みが浮かぶ。
「取り合い……ですか?」
黒柳が首を傾げる。
「ああ、ふたりとも福神漬けに目がなくてね。私の方がカレーを多く食べたんだが、彼女は、福神漬けについては半分半分にするべきだと言って譲らなかった。……だから……言い合いになって!」
事情を話しながらついに和樹は笑いだす。福神漬けが好きなのは事実だが、本当ならあそこまでこだわる必要はない。
だけど、さも重要なことのように言う楓を見ていたら、少しからかいたくなったのである。
なぜか彼女と一緒にいると自分の中の忘れていた感情を刺激される。
彼女とのやり取り自体を楽しみたいと思うのだ。
結局福神漬けは、ふたりして笑いながらちょうど半分に分けた。
黒柳が白けたように「そうですか」と言って口を閉じた。
一ノ瀬がくすりと笑みを漏らした。
すると今度は、運転手が口を開いた。
「副社長、そういえばあの日のケーキはいかがでした?」
黒柳の雑談に、普段はあまり乗らない和樹が今日は機嫌よく応じている様子に釣られたようだ。
「奥さまは、喜ばれましたか?」
あの日の帰り道、和樹は、妻への土産にするからケーキを買える店に寄ってほしいと運転手に頼んだのだ。
彼は、それならばと言って本社近くにある有名な洋菓子店に寄ってくれた。
帰り道は同行していなかった黒柳が「ケーキ……?」と呟いた。
「帰り道にお寄りになられたようですね。有名洋菓子店エトワールに」
同じく同行はしていなかったが、運転手の日誌で和樹の立ち寄り先を把握しているであろう一ノ瀬が口を挟む。
こっそり楓への土産を買っていたことを口にされて、和樹はいたずらがバレたような気分になった。咳払いをしてから答える。
「ああ、喜んでいたよ。ありがとう」
「それはよかったです。あそこのケーキなら間違いないですからね」
ケーキなど普段は食べない和樹は、どこの店がいいかまったくわからなかった。
だから彼に店を選んでもらったのだ。