契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
黒柳が首を傾げて楓に向かって問いかける。
そんなこと楓に知るよしもなかった。彼がそういう日を設けていると知ったのもつい最近のことなのに。
知らず知らずのうちに苦い表情になっていたようだ。黒柳な弾かれたように笑い出した。
「ふふふ、おかしい! 本当にあなたなにも知らないのね。きっと和樹さん、珍しいタイプの女にちょっとその気になって結婚したはいいけど、満足できていないんじゃない? 月に一度息抜きをしてたのよ。あれほどの女性たちと付き合ってきた方だもの、それくらいは仕方がないかしら?」
完全に、和樹がホテルで女性と会っていたと決めつけているような口ぶりだ。
楓の胸がズキンと痛んだ。
そんなはずはないと否定することなどできなかった。そもそも楓は彼のことをよく知らない。
知っているのは、福神漬けが好きなことと、甘いものは好きではないけれどケーキを楓のために買って帰ってくれること、船が大好きなことくらいだ。
仮に彼が女性と会っていたとしてもそれを非難する権利を楓は持ち合わせていない。婚姻中の異性関係についてはなにも制限はないのだから。
女性を信用していないと、彼は言った。でもそれは結婚に関してという意味だ。嫌というほど付き合ったというならば、女性との付き合い自体が嫌だという意味ではないだろう。
業務の邪魔にならない程度の後腐れのない関係なら、むしろ……。
「それにしてもまだ結婚半年なのに……。あなたよっぽど和樹さんを満足させられてられていないのね」
くすくす笑いながら、黒柳が言う。
その笑い声に、楓は自分の心が灰色に覆われていくのを感じていた。
彼が誰かと会っていたとして、自分はそれになにか言える立場にはない。
それでも彼が女性と一緒にいるのだと考えるだけで、胸がズキズキと痛んだ。
本当はこんな風に傷つく権利すらないというのに……。
「ふふふ、でも大丈夫よ。うちの秘書室は優秀だもの。そのあたりのサポートも万全だわ」
得意げに黒柳が言う。まるで自分が和樹の相手をするとでも言わんばかりだった。
確かに彼女ならば、和樹を満足させられそうだ……。
と、そこまで考えて、楓はダメだと暴走する思考にストップをかける。今はそのようなことを考えている時ではない。
パーティを成功させることを第一に考えなくては。
「まぁ、あなたはせいぜい……」
「会場に戻ります」
なおも言いかける黒柳の言葉を楓は少し大きな声で遮った。
女性として彼に望まれていないのは、百も承知だ。
でも彼は、契約妻としては楓を信用すると言ってくれたのだ。
愛されることはなくとも、その信頼に応えたい。
「仰りたいことはよくわかりました。ですが、仕事に関係のない話は後してください」
強い口調でそう言うと、黒川が不快な表情で口を閉じる。
鏡越しに真っ直ぐに彼女を見つめたまま、楓は立ち上がった。
そんなこと楓に知るよしもなかった。彼がそういう日を設けていると知ったのもつい最近のことなのに。
知らず知らずのうちに苦い表情になっていたようだ。黒柳な弾かれたように笑い出した。
「ふふふ、おかしい! 本当にあなたなにも知らないのね。きっと和樹さん、珍しいタイプの女にちょっとその気になって結婚したはいいけど、満足できていないんじゃない? 月に一度息抜きをしてたのよ。あれほどの女性たちと付き合ってきた方だもの、それくらいは仕方がないかしら?」
完全に、和樹がホテルで女性と会っていたと決めつけているような口ぶりだ。
楓の胸がズキンと痛んだ。
そんなはずはないと否定することなどできなかった。そもそも楓は彼のことをよく知らない。
知っているのは、福神漬けが好きなことと、甘いものは好きではないけれどケーキを楓のために買って帰ってくれること、船が大好きなことくらいだ。
仮に彼が女性と会っていたとしてもそれを非難する権利を楓は持ち合わせていない。婚姻中の異性関係についてはなにも制限はないのだから。
女性を信用していないと、彼は言った。でもそれは結婚に関してという意味だ。嫌というほど付き合ったというならば、女性との付き合い自体が嫌だという意味ではないだろう。
業務の邪魔にならない程度の後腐れのない関係なら、むしろ……。
「それにしてもまだ結婚半年なのに……。あなたよっぽど和樹さんを満足させられてられていないのね」
くすくす笑いながら、黒柳が言う。
その笑い声に、楓は自分の心が灰色に覆われていくのを感じていた。
彼が誰かと会っていたとして、自分はそれになにか言える立場にはない。
それでも彼が女性と一緒にいるのだと考えるだけで、胸がズキズキと痛んだ。
本当はこんな風に傷つく権利すらないというのに……。
「ふふふ、でも大丈夫よ。うちの秘書室は優秀だもの。そのあたりのサポートも万全だわ」
得意げに黒柳が言う。まるで自分が和樹の相手をするとでも言わんばかりだった。
確かに彼女ならば、和樹を満足させられそうだ……。
と、そこまで考えて、楓はダメだと暴走する思考にストップをかける。今はそのようなことを考えている時ではない。
パーティを成功させることを第一に考えなくては。
「まぁ、あなたはせいぜい……」
「会場に戻ります」
なおも言いかける黒柳の言葉を楓は少し大きな声で遮った。
女性として彼に望まれていないのは、百も承知だ。
でも彼は、契約妻としては楓を信用すると言ってくれたのだ。
愛されることはなくとも、その信頼に応えたい。
「仰りたいことはよくわかりました。ですが、仕事に関係のない話は後してください」
強い口調でそう言うと、黒川が不快な表情で口を閉じる。
鏡越しに真っ直ぐに彼女を見つめたまま、楓は立ち上がった。