契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
「し、仕事中に着る服をお願いします……」
 
スタッフが頷いて周りのスタッフに指示を出と、いくつかのラックが楓の後ろに配置された。
「こちらの上下なんかはいかがでしょう? このシリーズはデザインが少しクラシカルでして、上品で人気があります。素材もよくて着心地も抜群です」
 
スタッフがふわりとした上品なレースの袖と胸元のフリルが可愛らしい白いカットソーとベージュのスカートをそばの台に広げてみせた。

素敵だなと素直に思う。それこそ後輩の亜美ならば似合いそうである。

でも自分が着るとなると話は別だった。
 
白は楓にとっては安心な色だが、レースの袖は落ち着かない。

胸元のフリルも不要だし、スカートは落ち着いた色ではあるもののやや裾が広がりすぎている。

「それはちょっと……。わ、私には派手かもしれないです」
 
遠慮がちに難色を示すと、スタッフは残念そうにする。

「そうですか」
 
そしてすぐに気を取り直したように別の商品を持ってくる。

「ではこのようなイメージはいかがでしょう?」
 
今度は淡いピンク色のシンプルなデザインのカットソーに、紺色のスカートという組み合わせだ。

素敵だなとは思うものの、やっぱり楓が着るには不都合だ。
 
カットソーの胸元にラインストーンがキラキラと輝いている。

そもそもピンク色だ。スカートは形こそタイトだが、総レースである。

上品なデザインだからオフィスで着ても問題はなさそうだが、楓が着るとなると……。
 
やっぱりきちんと自分に似合いそうなものを伝えておくべきだ、と楓は思う。このままでは日が暮れてしまう。

「あの……。できるだけシンプルな物をお願いします。色も……白か黒か紺色で。レースやフリルは素敵ですが仕事では必要ありませ……」
 
でもそこで。

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