敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~

ひと言断って冷蔵庫を開けると、お酒や飲料水だけが雑然と並んでいた。たしかに食材らしきものはなにひとつない。家政婦が持参するというタッパーも今は入っていなかった。

利幸が言っていた食生活の乱れとはこれだったのかと納得だ。
これでは今夜の夕食も作れない。


「買い出しに行きたいのですが、近くにスーパーはありますか? 今夜の夕食の材料も必要ですし」
「今夜は外食でいいんじゃないか?」
「それでは私がここに来た意味がなくなりますから」


恋人らしく振る舞うのが第一だとしても、彼の食生活の乱れを改善するのも七緒の役目である。給料の対価として、しっかり働きたい。料理もしたい。


「よし、じゃあ一緒に行こう」


やけにノリノリで聖が誘ってくる。


「でも、せっかくの休日なのに私の用事で一日潰れちゃっていいんですか?」
「なに言ってんだ。恋人の用事は俺の用事でもあるだろ」
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