敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~

「七緒から奪えるくらいだから相当いい女なんだろうと思っていたけど、見事に期待を裏切られた。七緒の足元にも及ばない」
「ありがとうございます」


度を超えた褒め言葉もすんなりと受け入れられるのは、心の奥底でじくじくと燻っていた火種がきれいさっぱり消えたおかげ。塵のひとつも残っていない。


「聖さんがしっかり恋人役を演じてくれたおかげです」


容姿端麗なうえ立派な医者が彼氏なんて最強だ。


「恋人役、ね……」
「はい?」


聖がボソッと発した声が聞き取りづらく首を傾げて隣を見上げる。


「いや。……よし、綺麗さっぱり成敗して最高にいい気分になったところで、このままどこかへ出かけようか」


首を横にひと振りし、聖がニカッと歯を見せる。
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