敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
「俺が彼女になびくと思うか?」
最初から嫌悪感をあらわにしていた聖が恵麻に心変わりするとは考えにくいが、次はなにをされるのかと恐ろしい。
「なんだ、俺を信用してないのか」
いつまでも答えない七緒を引き離し、顔を覗き込む。
「そうじゃないです」
「じゃあどうした」
「……彼女のやることが普通じゃないので」
「怖い?」
力なく頷く。今度は聖になにをするつもりなのだろう。
「心配するな。俺は陥れられるようなヘマはしないし、七緒以外に心を揺らしたりもしない。俺を本気にさせたのは七緒だけだ。いや、七緒の手料理か?」
「もうっ、料理だけなんですか?」
最後に冗談めかしたら、せっかくの愛情表現が台無しだ。そこが聖らしさかもしれないが。