あざと女子の恋の歌はあざとくない。


* * *


最後の花火が打ち上がり、花火大会は終わった。
この後どうするのかという話になると、珍しく緋色がおずおずと言った。


「…ごめん、もしかしたら遅いかもしれないけど、実は妹にお土産買ってこいって言われてたの思い出して…出店閉まってるかもしれないけど、ちょっとだけ見てもいい?」

「もちろんいいよ〜」

「あ、みんなは先に帰ってくれていいので。
華村に付き合ってもらうから」


……は??

いやそんなこと聞いてないんですけど??


「ちょ、なんであたし?」

「俺が選ぶと妹に文句言われるのが目に見えてるからさ」

「確かにあんたセンスなさそうよね」


仕方ない、だったらあたしがセンスの良いかわいいお土産を選んでやろうじゃない。

それに、もうちょっと緋色と一緒にいられるの嬉しいし。


「だったら私たち、先に帰るわね〜」
「今日は二人ともありがとね」
「…お疲れ」
「またね〜!頑張ってね翠夏ちゃん!」


ちょっ…!咲玖ちゃんってば!!
はっきり言いすぎ!!

てゆーか、一応告っちゃったし今日はこれ以上頑張るようなことないんだけど……。


「…ごめん、急に付き合ってもらって」

「別にいいけど」

「あっちに手作りのアクセサリーの店があったんだ」


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