あざと女子の恋の歌はあざとくない。


でも、ちゃんと覚えててくれたなんて――…

やばい、めっちゃ嬉しいんだけど……。



「……俺、華村にはもらってばっかだなって思ってる」

「え?」

「最初はかるたに興味なかったのに、最近はすごく勉強してくれて楽しいって思ってもらえて、すごく嬉しかった。

かるたのことであんな風に怒ってくれたり、さっきも……」

「……っ!」


……な、なんか今更すっごい恥ずかしくなってきたんだけど何故!?

さっきまでアドレナリン出まくってたとか!?
今、緋色の顔まともに見られないんですけど……っ。


「華村、今は華村の気持ちに応えられない」

「……うん」


わかってたことだけど、言葉にされるとガーンとくるものがある……。


「今はかるたに集中したい」

「わかってるよ」

「でも、華村のこともちゃんと考えたい」

「っ!」

「だから…その、俺も何か返せるようになりたいから、とりあえず誕生日おめでとう……」

「なんなのそれ……」


今は応えるつもりがないくせに、あたしのことキープしたいってこと??
考えるとか言ってるけど、緋色はそんなに器用じゃないじゃない。

かるたに集中したら何も聞こえなくなるくせに。
結局かるたのことしか頭にないくせに。

なのに、こんなことしてあたしのこと繋いでおきたいってこと?


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