雨音
『なんか雨ってイメージ通りでびっくりしちゃった』
『雨って呼べよ』
そう言って彼は私の頭をなでてくれた。
ふたり笑いあった

時間は過ぎる
思い出は増える
想いは募る


時間は経つのが早い…
飲みほした紅茶を残して
彼が去っていった。
まだ寒い夜風が吹く雨の中を…

私はあの小窓から
その姿が消えるまでずっと眺めていた。

そして呟いた…
『雨…』
私の声

『ざぁ―…』
雨の音

『コツコツ』
消えてゆく雨

『um―…』
雨の響き

この響きが好きなの
< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop