幼馴染と、キス。


「うん。大丈夫だった」

「そ?ならいいんだけど。
女の嫉妬って怖いからさ〜 」

「嫉妬?」

「付き合ってるって思われちゃったかなって」



「私はそれでもいいけどね〜」と、ふふっと笑ってみせるその子に俺は軽く首を傾げた。



嫉妬……は無いな。

俺達の関係はただの幼馴染。

嫉妬なんて、するのは俺の方。


千紗が、なんて。考えるだけ無駄な話。



「あの子は家が近いだけのただの幼馴染だよ」

「えっ、そうなの!?」



「初耳なんだけど」と目を丸くさせる彼女に「そんなに驚くことか?」と不思議に思う俺。


まあでも、周りにあまり言いふらしていない情報ではあるが。

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