沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません


それって、過去の自分にわからせたいってことかな?

私を好きだと思った感情は、偽物だったって。


きっとその通りだよ。


私なんかが、黒岩くんにふさわしいわけがないし。

何のとりえもなく、ニコニコしてるだけの笑顔バカだし。




「お邪魔しました」




たった2日間だけの彼女だったけど、黒岩くん、たくさんの幸せをありがとう。




深い感謝を込め、私は黒岩くんに頭を下げた。



サヨナラの涙が止まらない。

両手で拭っても、ぬぐいきれない。





「……もう俺の家に……弁当なんか買いに来るな」





黒岩くんは静かに怒りを吐きだすと

私を見ることもなく、階段を駆けのぼって行った。










< 93 / 226 >

この作品をシェア

pagetop