年下男子は天邪鬼
なんだよ、半年って...。

俺はソファーに倒れるように突っ伏した。

俺の父親も病気で俺が中学一年の時に
他界したのだ。それから母は女手一つで
俺たち子どもを育ててくれた。

税理士事務所に内定が決まって
これから稼いで母に少しでも楽をさせて
あげればと思ってたのに
死んでしまったら、親孝行もなにもできないだろう...?

突っ伏した大地の瞳から涙が溢れ
ソファーに大きなシミを作っていく。

俺は依子を失って落とされた暗い谷から
さらに深い暗い谷底へと落とされたような感覚に襲われる。

神様はどうして俺から大切なものを
次から次へと奪おうとするのか?

助けて..

依子、俺を助けて...

一人落とされた真っ暗闇の中で俺は
無意識に依子に助けを求めていた。

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