年下男子は天邪鬼
「いや、やっぱり行く!!
頭痛薬も大分効いてきたし、
俺が可愛くコーディネートしてやるよ!」

大地はソファーから起き上がると
張り切った様子でグーッと上へ伸びをした。

「えぇ?自分で探すからいいよぉ。」

依子は面倒くさげに呟いた。

大地は立ち上がると
依子の肩に腕を回した。

「依子。よ~く考えろ。
お前は男心を全然分かってないだろ?
男がグッとくる壺ってものを全然わかってないんだ。そんなんで安斎さんを落とせると思ってるのか?」

「う~ん。」

「そこで俺が男がグッとくる髪型と服を選んでやるって言ってるんだから、こんなチャンスは二度とないとおもうけど?」

「何か裏がある?」

「失礼なやつだな!
こんな天使な心を持ってる俺が見返りを求めると思うのか?」

「思う」

依子は迷うことなく即答した。

「ああそうかそうか。
じゃあ、遠慮なく見返りを貰おうじゃないか」

大地はそう言って
依子の頬に手をやると
顔を上に向け
チュッと音を立てて唇にキスをした。

「なっ!?」

依子は急な出来事に真っ赤に
頬を染めて固まっている。

「じゃあ、見返りは貰ったから
30分後出発な!!」

呆然と立ち尽くす依子を
よそに大地はウキウキと
部屋を出ていった。
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