ただ…傍にいたいだけ…
「ごめん、俺なんか……“また”傷つけること言った?」

「あ、違うの!!
…………この前も…突然、大きな声出してごめんね」

「いや、あれは、悪いのは俺!
ごめん!!
“いなくなれ”って言って!
ほんっとごめん!!」

俺は許されたくて、必死に頭を下げて謝った。

「琉輝くん?!
顔、上げて!?」

そんな俺の頭を上げさせる雛葉。

意を決したように、俺に向き直った。

「琉輝くん」

「ん?」

「今日、琉輝くんを送ったら、タクシーで帰るから。
送らせて?」

「………ん、わかった…!」
これ以上、俺は何も言えなかった。



「━━━━それでね。
今度の日曜日、会えないかな?」

「え!?
あ、うん!もちろん!!」

ま、マジで!!?
デート!!?



しかし満面の笑みの俺に対し、雛葉は真剣で……どこか悲しい面持ちだった。



< 8 / 38 >

この作品をシェア

pagetop