夕焼けの恋
俺は気づかなかったふりをしてそのまま通り過ぎようとしたが、その前に見つかってしまった。

「あ、あの!」

大声をかけられても無視できるほどの勇気を俺は持ち合わせていなかった。

「弥生さんなら知らないですよ」

「違うって、俺は君に用があって。ちょっといい?」

「…分かりました」

俺は母親に迎えに行けないことを連絡してから彼に着いて行った。


連れてこられたのは街のファミレス。

2人ともドリンクバーだけ注文して席に着く。

しばらくの沈黙を破ったのは彼の方だった。

「自己紹介してなかったよね。俺、菅原和真。北高の2年」
< 34 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop