夕焼けの恋
連れてこられたのは、前回と同じファミレスだった。

「弥生、もう一度言う。俺は弥生が好きだ」

驚いた。

だけど、驚くのはもっとあとだった。

「だけど、諦めるよ」

弥生と俺は揃って目を見開く。

「弥生と工藤くんが話してるのをたまたま聞いた。俺のせいで弥生がやつれていってることになんて気が付かなかった」

和真は頭を下げる。

「本当にごめん。俺は弥生が好きだけど、弥生を傷つけたいわけじゃない」

ずっと黙って和真を見つめていた弥生がかすかに口を開いた。

「頭上げて。…もう、いいよ」
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