夕焼けの恋
垂れた前髪の隙間から覗く小さな口がかすかに動いた。

「…私も好きです」

それを聞いた瞬間、俺の顔は緩んだ。

そのまま弥生を抱きしめる。

「大切にします」

そうつぶやいた俺に返すように弥生がささやいた。

「大好きだよ」

その声は俺の耳を甘く掠めた。
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