目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました
「ひょっとして、あんまり覚えてない?」
「そんなことは絶対にないっ!」
峰崎くんが勢いよく立ち上がったので、今度は私の方が驚いてしまった。
「あー、コホンッ。よく覚えてるから。お互い大学終わりに寄ったカフェで再会したんだ。そこで意気投合したっていうか何ていうか……」
奥歯に物が挟まったようなこの説明は一体……
はっ、まさか、まさか、まさか!
卒業後もう二度と会えることはないと思っていた峰崎くんにばったり遭遇、なんて私はさぞかし浮かれてしまったことだろう。
そしてそのまま突撃して、付き合ってくれるように迫っちゃったんじゃ……
高校入学早々、隣のクラスにいた峰崎くんに一目惚れして以来、話しかける勇気もなく、こっそり見つめるだけだった私。
だけど、最後のチャンスだと思ったら、暴走する可能性だって十二分に考えられる!
「……も、もしかして、私から強引な告白をして付き合い始めた、とか?」
「ううん、そんなんじゃないよ。ほんと違うから……」