目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました
「私と峰崎くんって、今現在どういう間柄?」
「当然そこからだよなー。婚約してる。で、明後日、結婚する」
峰崎くんの口から何の躊躇いもなく『婚約』だの『結婚』だのってワードが出てきて、私のほうが狼狽えてしまう。
「どういう経緯でそういうことにっ!?」
「あー、高校卒業後の5月に再会して、そのまま自然な成り行き? そんな感じで付き合うことになって、」
「ち、ちょっと待ったぁー!」
私の勢いに驚いた峰崎くんが、持っていたスプーンを止めた。
「高校を卒業したあとで『自然な成り行き』っておかしくない?」
「……おかしく、はないよ」
「私たち、同じ大学に進学したとか?」
「……いや」
「えっ、じゃあ、おかしいよね? 『自然な成り行き』って何?」
峰崎くんが弱ったような顔をした。
そっか、私にとっては2年後の未来の話でも、峰崎くんにとっては5年も前の過去の話になっちゃうんだ……