目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました

「私と峰崎くんって、今現在どういう間柄?」

「当然そこからだよなー。婚約してる。で、明後日、結婚する」


峰崎くんの口から何の躊躇いもなく『婚約』だの『結婚』だのってワードが出てきて、私のほうが狼狽えてしまう。


「どういう経緯でそういうことにっ!?」

「あー、高校卒業後の5月に再会して、そのまま自然な成り行き? そんな感じで付き合うことになって、」

「ち、ちょっと待ったぁー!」


私の勢いに驚いた峰崎くんが、持っていたスプーンを止めた。


「高校を卒業したあとで『自然な成り行き』っておかしくない?」

「……おかしく、はないよ」

「私たち、同じ大学に進学したとか?」

「……いや」

「えっ、じゃあ、おかしいよね? 『自然な成り行き』って何?」


峰崎くんが弱ったような顔をした。


そっか、私にとっては2年後の未来の話でも、峰崎くんにとっては5年も前の過去の話になっちゃうんだ……

< 14 / 41 >

この作品をシェア

pagetop