目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました

※※※


「ユカコ、おいでー」


そ、そうだよね……


同棲してるんだから、ベッドは1つ、だよね……


先にベッドの右側に入った峰崎くんが、右手で毛布をめくって待ってくれている。


左腕は私の(であろう)枕の下でまっすぐに伸ばしている。


こ、これって、もしや腕枕ってやつですか?


夢のようなシチュエーションのはずが、いざ目の前で待ち構えられると足が動かない……


「あっ、そっか。ごめん」


峰崎くんがパッと左腕を引いた。


「ユカコにとっては、今日初めて会話した男だもんな。何にもしないから、おいで」


そう言うと、峰崎くんはベッドのさらに右側に詰めてくれた。


ようやく私は動けるようになった。


「……し、失礼します」


おずおずとベッドの左端に寝ころんだ。


「こっちこそ、ごめんね」

「ぜーんぜん」


お互い、天井を向いている。

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