星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
でも、今はそんな優しさは必要ない。
できることなら力になりたいし、辛いことも一緒に乗り越えたい。

私にだって、辛い過去がある。
でもそれは、あなたが力になってくれたから乗り越えることができた。

だから今度はーー。


「遠山くん……今度は、私が寄り添うから。 一緒に頑張ろう」


そう言いながら、遠山くんにぎゅっと抱きついた。

触れ合ったところから体温が交わり、じんわりとあたたくなっていく。


「星七……きっと迷惑かけるよ?」

「そんなの気にならない。 〝一緒に頑張る〟って、私が決めたから」


身体が離れて、ふと遠山くんの顔を見ると、一筋の涙が頬を伝っていた。

ーーなんて綺麗な涙なんだろう……。
人はこんなにも美しい涙を流せるものなのかと、遠山くんを見て思う。

私がその涙を拭うと、遠山くんはにっこりと笑ってくれた。 久しぶりに見た優しい笑顔に、どことなくほっとする。


「星七を好きになってよかった」

「私も……遠山くんを好きになってよかったよ」


そう言いながら、お互いの唇が重なる。 離れては重なり、それは段々と激しくなっていく。


……初めて〝愛〟があるキスをした。


以前とは違って、こんなにもとろけてしまいそうで、こんなにも私のことを熱くさせる。
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