星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
目を覚ますと梅沢先生はいなくなっていて、狭い当直室のベッドに私一人が取り残されていた。

院内用のスマホが鳴っていたのは知っている。 きっと、救急外来から呼び出しがあったのだと思う。

それにしても、なんだろう……。 なぜか今日は、心が満たされていない。
胸にぽっかり穴が開いてしまったような、そんな感覚に陥っている。

ゆっくりとベッドから起き上がり、洋服を着る。
バッグの中の中にあるスマホを確認すると、1通のメッセージを受診していた。


『さっきはすまない。 俺はやっぱり君を手放したくない。 ちゃんとするから、もう少し待っていて』


当直室を出てから、梅沢先生がメッセージを送ってくれのだろう。

〝ちゃんとするから〟と言うのは、きっと奥さんとのことを言っているのだと思う。


私……この言葉を信用してもいいのかな? 待っていても、いいのかな?

このままなにも欲しがらずに、大人しく待っていれば、梅沢先生は私のところへ来てくれる?


そんなことを思いながら、静かに当直室を出たーーー。


* * *

自分のアパートに戻ったのは20時過ぎ。
シャワーを浴びてから缶チューハイ片手に、今話題の不倫ドラマを観ている。

自分と重なる部分が多々あるこのドラマのヒロインの様に、私も梅沢先生と幸せになれる日が来るのだろうか。
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