運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜

ラスボス祖父登場

 怜とさくらが合流し、ルームサービスを頼んでみんなで食事をする。陸斗もやって来たが、陽は仕事から抜け出せなかったようだ。

 怜と母が桂の取り合いをしている。平和な午後――

「あなた達、今後のことは話し合えたの?」
「ああ、さくらと籍を入れて書類上も家族になる」
「まあ、さくらちゃんありがとう。嬉しいわ。ねえ、あなた」
「嫁と孫が出来るなんて夢だと思っていた」
「私こそ、何とお礼を言っていいのか……。これから、よろしくお願いいたします」
「畏まらないで。何か怜に不満があったら、私に言ってね」
「ありがとうございます」
「不満がないように努力するつもりだ」
「生活拠点はどうするか決まったのか?」

 父は、別荘の話もあり気になっている。さくらと桂が暮らしていくには、慣れた場所がいいはずだ。

「さくらと桂と一緒に、リゾート内の別荘で暮らすつもりだ。東京滞在の方が長いとは思うが、俺の気持ちはこっちが本宅だ。出来るだけこちらにいたい」
「じゃあ、やはり俺達にも別荘を用意してくれ」
「はあ?本気か?」
「当たり前だ」
「陸斗……」
「はい。会長、この件は後日連絡致します」

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