シンデレラは王子様と離婚することになりました。

第二章 王子様のプロポーズ

 人生とはままならないものだ。


 それが人生というものだ、今さら我が身を嘆いたところで仕方がない。

 そうやって溢れだしそうな負の感情を抑え込んで、全てを諦めて受け入れるようになったのは、いつだっただろうか。

 お母さんが死んだ時?

 継母や継娘に反抗して平手打ちをされた時?

 ああ、そうだ、叩かれて暴言を吐かれても、お父さんが助けてくれなかった時だ。

 視線すら投げかけられず、お父さんはまるで違う世界にいるようにテレビを見ていた。

 少しだけ眉間に皺が寄ったのは、テレビの音が聞こえなくて不快だったからだろう。私のことなんてどうだっていいんだ。それを理解した時、もうどうでも良くなった。

 小学生だった私が生きていくためには、全てを諦める必要があった。

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