シンデレラは王子様と離婚することになりました。
 学校に行きながら、全ての家事を私が担当する。

 朝は早く起きて洗濯機をまわし、朝食を作って掃除もする。
 学校から帰ってきたら、洗濯物を取り込んで、夕食の準備。
 

私に、勉強する時間なんてなかった。せめて授業中に覚えようと思っても、疲れがたまっていて寝てしまうこともあった。


近所の人たちも、薄々私がヤングケアラーだということを分かっていたようで、義母はそれをごまかすために、私を大学に進学させた。

本当は高校を卒業したら働きたかった。高校の学費も奨学金だったので、これ以上借金を増やしたくなかったのだ。
それなのに高校三年の夏に急に大学に行けと言い出して、そこから猛勉強しても公立に合格することなどできなかった。


  家庭にお金がないわけではなかったので、奨学金の利子も高額になる。加えて、私立の四年制大学。

 高額な借金返済のため、就職して家から出る夢を絶たれた。もしかしたら、義母は私が家を出て行かせないために四年制大学を勧めたのかもしれない。

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