【改稿版】シンデレラは王子様と離婚することになりました。
「きゃーっ、やめてぇ!」

お腹や脇のあたりをコチョコチョと攻撃され、くすぐったくて思わずソファに横たわる。

なおも容赦なく攻撃を続ける大翔は、いつの間にか私の上に覆いかぶさるような体勢になっていた。

 あれ……この体勢って。

気づけば押し倒されるような恰好になり、大翔と目が合う。

途端に、部屋の空気が変わった。

 くすぐっていた手を止め、大翔はじっと私を見下ろす。

「捺美……」

普段は“お前”呼びなのに、こういうときだけ名前を呼ぶのはずるい。

心臓の鼓動が否応なしに速くなる。

 彼の顔が、だんだん近づいてきて──。

(ど、どうしよう……これ、キスされる)

 目が泳ぐ私を察して、大翔が優しく囁く。

「嫌か?」

 また、この絶妙にずるい問いかけ。

「嫌……じゃ、ない……」

 嫌なわけじゃない。でも、だからといっていいとも言い切れない。

拒絶もできず、はねのけることもせず、結局は受け入れてしまう。そんな自分に戸惑いながら。

 そして──大翔が目を閉じ、そっと唇が触れた。

 結婚式での形式的なキスとは違う。感情のこもった、温かくて甘いキス。

 私も静かに目を閉じ、長い口づけに身を委ねながら、甘い感情に溺れていった。

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