憧れのCEOは一途女子を愛でる
「ところでどこで知り合ったの? 会社の人?」
「そうなんだけど……実はね、社長なんだ」
「え! あのイケメン社長?」
私が入社する前、神谷社長がインタビューを受けて掲載されたビジネス雑誌を彩羽に見せたことがある。
雑誌の写真がとてもイケメンに写っていたから、彼女の頭の中にも強く印象に残っていたようだ。
私は彩羽に、どうして社長とメッセージのやり取りをする関係になったのか、祖父同士が以前から友人だったことも含めてすべて話して聞かせた。
「意外なところに縁って落ちているものなんだね」
腕組みをしながら感心したように聞き入る彩羽に対し、私は首をかしげた。
「縁があったって、私には手が届かない人だから……無理だよね」
「冴実が勇気を出して手を伸ばそうとしていないだけで、届くかもしれないよ。というか、もう好きになってるんじゃないの?」
彩羽にそう言われ、私は社長を本気で好きにならないようにずっと気持ちを抑えていたけれど、すでに手遅れになっていると気付いた。
社長からのメッセージひとつで胸が躍る。うれしくてたまらないのは、恋をしているからだ。
「全力で恋をするのが怖いの。私には軽い恋愛は無理だから、絶対にまた一生懸命になっちゃうし」
私は加那太との恋愛がトラウマになり、それからずっと新しい恋をしようとは思えなかった。
また誰かを好きなって、ひとりで空回りしてしまわないかと恐れる気持ちが根強く残っている。
「冴実はさ、全力になる相手を間違えただけだよ。一途なのは悪いことじゃない」
「そう言ってもらえると救われる」
「臆病にならずに、素直になってほしい」
彩羽の言葉に苦笑いしながらうなずく。よく考え、しっかりと自分の気持ちと向き合おうと思った。
「そうなんだけど……実はね、社長なんだ」
「え! あのイケメン社長?」
私が入社する前、神谷社長がインタビューを受けて掲載されたビジネス雑誌を彩羽に見せたことがある。
雑誌の写真がとてもイケメンに写っていたから、彼女の頭の中にも強く印象に残っていたようだ。
私は彩羽に、どうして社長とメッセージのやり取りをする関係になったのか、祖父同士が以前から友人だったことも含めてすべて話して聞かせた。
「意外なところに縁って落ちているものなんだね」
腕組みをしながら感心したように聞き入る彩羽に対し、私は首をかしげた。
「縁があったって、私には手が届かない人だから……無理だよね」
「冴実が勇気を出して手を伸ばそうとしていないだけで、届くかもしれないよ。というか、もう好きになってるんじゃないの?」
彩羽にそう言われ、私は社長を本気で好きにならないようにずっと気持ちを抑えていたけれど、すでに手遅れになっていると気付いた。
社長からのメッセージひとつで胸が躍る。うれしくてたまらないのは、恋をしているからだ。
「全力で恋をするのが怖いの。私には軽い恋愛は無理だから、絶対にまた一生懸命になっちゃうし」
私は加那太との恋愛がトラウマになり、それからずっと新しい恋をしようとは思えなかった。
また誰かを好きなって、ひとりで空回りしてしまわないかと恐れる気持ちが根強く残っている。
「冴実はさ、全力になる相手を間違えただけだよ。一途なのは悪いことじゃない」
「そう言ってもらえると救われる」
「臆病にならずに、素直になってほしい」
彩羽の言葉に苦笑いしながらうなずく。よく考え、しっかりと自分の気持ちと向き合おうと思った。