恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「筧社長、ご無沙汰しております!」


 会場入りしてすぐ、どこからともなく次々と彰人さんへ挨拶をしに人々が代わる代わる押しかける。

 そのたびに彰人さんは足を止め丁寧に対応していて、その堂々とした余裕のある姿に気づけば横にいて見惚れてしまっていた。
 挨拶に訪れた人々は必ず一緒にいる私へ目を向け、そのたびに彰人さんが「妻です」と紹介する。

 内心どきりとして、妻 なんて紹介されることにやっぱり自信は持てないけれど、見た目だけでも取り繕うと必死に胸を張って常に背筋を伸ばしていた。

 ビジネスの場において、彰人さんにどれだけ人脈があり、多くの仕事を手掛けているのか、その偉大さを第三者との関わりを前にして思い知る。

 一緒に生活するようになって、一番初めに感じた雲の上の人という感覚は、ほんの少しだけ薄れてきていた気がしていた。

 だけど、それはやっぱり錯覚で、初めに感じた住む世界の違う人というのが正しかったようだ。

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