恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「あたり前だろう。里穂子が俺のそばからいなくなるなんて、もう考えられない」

「彰人さん……ごめんなさい、勝手なことばかりして」

「今回のことは、里穂子の立場を考えたら仕方ない。俺が、はじめから母と腹を割って話さなかったのが悪いんだ」


 私の件が原因で、親子の仲にひびを入れてしまったのは否めない。

 だからこそ、お義母様に認めてもらえるよう、人として立派な自分になっていきたい。彰人さんをちゃんと支えていける、そんなパートナーになっていきたい。

 それが、一番の関係修復方法だと思うから。


「時間はかかってしまうと思いますが、お義母様にも認めていただけるように、日々精進していこうと思ってます」


 そんなふうに宣言した私を、頭の上から彰人さんがくすくす笑う。


「精進て」

「え、そこに笑ったんですか?」

「いや、だって、里穂子の口から意外な言葉が出てきたから、つい」


 彰人さんはまたクスっと笑って、わたしのこめかみに唇を押し当てた。


「もう、勝手に離れていかないでほしい」

「はい」

「その前に、俺が離さないけど」


 ガラスに映る彰人さんと目が合い、振り向くようにして顔を上げる。

 彰人さんは私の唇に慈しむようなキスを落としてくれた。

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