恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
11、大きな愛で強くなる


 梅雨が明け、季節はもうすぐ夏本番を迎えようとしている。

 日に日に上昇していく最高気温は、八月を目前にして三十度を余裕で超える日も珍しくない。

 今日も朝からじわじわと気温は上昇している。

 手には、実家から取り寄せた地元の銘菓。有名なみかん農園の作る濃厚みかんゼリーの詰め合わせ。

 暑くなってきた時期に、冷やして食べると絶品なのだ。

 今日は、お義母様に暑中見舞いも込めて挨拶に伺う予定でいる。

 お会いしたいと申し出ると、今日は日本橋の老舗ホテルでアフタヌーンティーを楽しまれる予定だと、彰人さんの秘書、雪島さんが教えてくれた。

 私が顔を出しても構わないということで、挨拶にお邪魔することを決めた。

 彰人さんには今朝、「本当にひとりで大丈夫か?」と心配された。それにはしっかりと「大丈夫です」と答え、きちんと挨拶してくると伝えた。

< 250 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop