恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
12、epilogue


 部屋から見下ろす街路樹は紅葉し、秋の訪れを感じさせる。

 少し前まで暑さのあった日々は、あっという間に冬に向けて一歩一歩歩みを進めている。


「かけてなさい。立ちっぱなしはよくないわよ」

「あ……はい」


 窓から外を眺めていた私に、お義母様が声をかける。

 そそくさとソファーに腰を下ろすと、私を見たお義母様は「もう……」と小さく息をついた。


「さっきから立ちっぱなしだけど、まさか普段からそんなふうに動いてばかりだったりしないわよね?」

「はい、無理はなるべくしないようにと。彰人さんも心配してくださるので」

「あたり前よ。私にお茶なんか出さなくていいから、座ってなさい」


 彰人さんとの子を妊娠しているとわかってから早三カ月。お腹の赤ちゃんは順調に成長してくれている。

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