恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「まあいい。仕事を休んだのなら、時間もあるんだろ?」
「え……」
「ついてこい」
そう言われたとき、向こうから「社長」と男性の声が聞こえてくる。
目を向けると、私がさっき物件を見ていた店舗から出てきたと思われるスーツの男性がひとり。
体格がよく、がっちりとした大柄で、一見、格闘技とか、ラグビーなんかでもしていそうに見える。昨日も一緒だったし、うちの会社にも筧さんと一緒に訪れているところを何度か見かけたことがあるから、きっと筧さんの秘書の方なのだろう。
「悪い。昼の会議までには必ず戻る」
「なにか急用でしょうか?」
そう言うと男性は、一緒にいる私へと目を向け頭を下げる。
「ああ、私用だ。済み次第戻ってくる。話は予定通り進めておいてくれ」
男性は「かしこまりました」と言って再び建物へと戻っていく。
筧さんのことを『社長』と呼んでいたし、やはり秘書のようだ。あの感じなら、ボディーガードも兼任してそうだと勝手に考える。
「行くぞ。そこに車を停めている」
「え? 行くってどこに……?」
私の前を横切り、歩道を前の通りへと向かっていく。
「ついてくればわかる」
そう言ってすたすたと離れていく姿に、動揺しながらもとぼとぼとついていく。