無気力な彼の甘い初恋。 ※短編

〜次の日〜

○ 家 (朝)



作戦開始!

昨日、修斗にメールをした後、かんなと一緒にこの作戦で何をするのか徹夜で考えたのだ。
そして、朝方にやっと三つまで絞れたのだが、、、確実に今日は授業中居眠りコースだ笑


1個目!


「おはよー修斗」
「おはよ。お前、朝から顔浮腫んでね?」

はぁー?

「うるっさいなぁ。修斗いっつも意地悪言ってくる」
「そんなこと言って大丈夫かー?
 朝早くから、お前の作戦に付き合ってやってんのに」



そう、一つ目は毎朝夕可能な限り修斗と一緒に登下校すること!
圭に一緒帰ろっと誘うのを我慢して、修斗と一緒に行動するのはなかなかに辛いが嫉妬してもらうためだ。

「はいはい、ありがとー」



適当に会話しながら、学校に向かった。



2個目!

○学校(休み時間)

「修斗ー」

「綾ー」


「なに?」
「、、なんでもない。」
「なんだそれ笑」



「そっちこそ何か用?」
「、、、、、なんでもない」
「修斗もじゃん笑」




二つ目は、やたら名前を呼ぶこと!

ほんとに意味あるのかなぁこれ。
多分効果は微妙だとは思うのだが、とりあえず、修斗の私の呼び方が不自然すぎて二人して笑ってしまった。


「修斗不自然すぎるでしょ笑」
「いや、綾も人のこと言えねぇだろ。何が『修斗〜♡』だよ笑」


「そんな言い方してない!」

そんなことを言い合いつつ、二人でケラケラと笑っていた。



、、、そしてそんな二人は、この作戦のターゲットである圭がこちらをじっと見ていることは知る由もなかったのだ。










三個目!


〜週末〜

○駅

「よしっ、行くか!」
 
「何にしようかなー」



今日、私たちは隣町にあるショッピングモールに来ている。

「あんま派手なのはやめろよ?」
「わかってるよ。
 修斗に任せてもよかったけど、趣味悪いからなー((小声」

「聞こえてるぞー」

じろっとこっちを睨んでくる修斗に気付かないふりをして、中に続く門をくぐった。



圭を嫉妬させるための三つ目の作戦。
それは、修斗と私でお揃いのものを持つことだ。

今日は、それを選びに来たのだ。



・・・・・・・選び中・・・・・・・


○駅 (帰り道)

「やっと決まったな!
 今日は決まんないかと思ったわ。」



結局私たちは、ネックレスをお揃いにすることになった。
学校でつけていても目立たす、毎日つけられるような小さなチャームのついたネックレス。


ネックレスをおそろいにするということは、早めに決まったが1番時間がかかったのがチャームのデザイン。

シンプルなリングとお花デザイン、どちらにするかで争ったが、結局お花は付けづらいと懇願され
リングのチャームに決まったんだよね。



買い物を終えた私たちはショッピングモールを出てすぐのところにある駅につき、帰るための電車を待つ。

暇なので、さっき買ったネックレスをつけることにした。



「つけてやるよ」


私が、つけるのに手間取ってたところ、先につけ終わった修斗が手伝ってくれた。


「ん、ありがと」



修斗がつけやすいように、髪を持ち上げようとしたところ、




「、、、あや?」





「、、、、、!」


不意に名前が呼ばれた気がして、、振り向いた。





圭がいた。





「、、けい?」


「綾、何でここにいんの?」

怪訝そうな顔で、私を見てくる。




「ちょっと、用事があって、、、」

びっくりして戸惑いながらも答えると、






「ふぅん、、、貴崎(きさき)と?」


と、じろっと修斗の方を見た。
圭の目は、いつもの三割ましに鋭くて、、、ちょっと怖かった。









え、ねぇ待ってもしかして!








「ねぇ、もしかして圭嫉妬してたりする?」



え、だって明らかに私が修斗といることに反応してるよね?

もしかしてっと思ってこっそり修斗に耳打ちしてみる。

「いや、ちげーだろ。」

即答ですか!


「てか、お前すげぇ睨まれてんじゃん。何したんだよ笑」
と、続ける修斗。

「そういう修斗こそ、睨まれttn、、」



「何話してんの?
 今、俺が綾に聞いてんじゃん。早く答えて」




私と修斗がコソコソ話してたのが気に入らなかったのか、威圧的に聞いてくる。




「そ、、そういう圭こそ何してたの?」
 
まさか「あなたを嫉妬させる作戦のためにお出かけしてましたー」なんて言えるはずもなく、
苦し紛れに圭に問い返してみた。

お願い、話題それて!




「んなこと、どーでもいいじゃんか。それより、俺の質問に答えろよ。」


まさかの一蹴。
どーしよ、、、。そもそも何でそんなに聞いてくるのよ!!



あたふたと一人で慌てていると




「綾、ちょっとごめん」


そういって私の手を取る修斗。

「!」
「ん?どしたn」



「いくぞ!!!」

「っ、、おいっ!」




突然、修斗が私の手をとって走り出したのだ。

「えっ、、!ちょっ、速いって!」



駅のホームまで手を引かれての全力疾走。
そのまま電車まで走って、駆け込んだのだ。

キ、、キツすぎる。




「急にどしたの!」


息も整ってないまま、修斗に聞く。


「お前顔まっか笑」

当たり前でしょ!修斗足早いんだから、私なんかがこんな速さで走れると思った!?
余裕な顔で私を見ながら笑う修斗はまるで悪魔のようだ。

はらたつ〜!!



「圭は動くのめんどくさがるだろ?
 だから走れば追っかけてこないかと思って。」



席に座ったタイミングで修斗がそう打ち明けてきた。

な、なるほど。


私が修斗の作戦に納得していると

「頭使えよな?
 ばーか」

と、嫌な笑みを浮かべながらそんな意地悪を言ってきたのだ。




「あーあ、この一言がなければイケメンなのに、、」


「ん?なんか言った?」




わざとらしく笑みを浮かべ私を見てくる修斗に対し、

「何でもないでーす。」

と答え、騒がしく私たちは帰路に着いた。



(そういえば、修斗が私の手を握ったとき、圭少し動揺してたな、、少しは意識してくれてるといいんだけど)






















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