目に視えない私と目が見えない彼
「さっそくだけど、今日の担当のところ行こうか。俺が未蘭のお世話係だから、仕事を覚えるまでは着いてくことになってるんだ」

「よかった・・・・よろしくお願いします」


いきなり死後の世界にきて、守護霊代行の仕事をすることになり、展開が早過ぎてついていくのがやっとだった。


こんな状況でも、丁寧に説明してくれた柊には好感が持てた。

冷静を装いつつも不安だったので、仕事を覚えるまで着いてきてくれることにホッとして自然と小さなため息が漏れた。




「俺たち死んでるから、眠気とか疲れとか感じないから仕事の任期終えるまで働き詰めになるよ!覚悟してて」


そう言った柊は不敵な笑みを浮かべている。確かに言われてみれば、身体に疲れや眠さは感じない。空腹感も感じない。

まだ全然実感が湧かないけど
本当に死んでるってことなのかあ。


一気に寂しさと切なさが込み上げてきて、胸の奥がぎゅっと苦しくなった。
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