目に視えない私と目が見えない彼
「こんな風に笑う来衣先輩を見られたら、もっと人気出ちゃいますよ?」

「ははっ、心配いらねえよ?俺が笑顔見せるのは未蘭の前だけだから」

「え、」

耳まで真っ赤に染まっていくのがわかる。恥ずかしくて顔を上げられなかった。


「……自分で言っておいて・・・・・・恥ずっ…」

顔を上げると彼の頬も赤く染まっていた。頬杖をついて赤く染まる頬を隠している。

初めて見るその表情に、思わず「来衣先輩、かわいい…」無意識に零れていた。

「かわいいなんて、初めて言われた」

そう言ってはにかむ来衣先輩を見て、意外な来衣先輩の素顔は誰にも見せたくないな。私だけの中に留めておきたい。そんなことを思った。
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