目に視えない私と目が見えない彼

「・・・俺さ、未蘭と出会えて幸せを知った。未蘭に出会えたから、見えない世界にも希望や未来が見えた。この気持ちが消えない限り、俺は頑張れる気がする。病気にも今まで以上に向き合うよ」

「私も、来衣先輩と出会えて初めて恋を知れた。・・・・・・ありがとう」

来衣先輩の言葉に、蓋をした感情も涙も溢れ出しそうだった。




「———好きだ」


唐突に放たれたずっと聞きたかった言葉は、強がりの仮面を溶かしていく。終わりが来ることを感じたのは彼も同じだったようで、瞳には涙が滲んでいた。



「私は、あと数時間で……消えてしまう、から」

「な、んで、未蘭なんだよ。幽霊のままでいいから、消えるなよっ」

今まで我慢してた想いが零れた。一度零れてしまった想いは、とめどなく溢れてくる。


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