目に視えない私と目が見えない彼
「…っ来衣先輩と、もっと、うっ…一緒にいたかったっ、」

「俺だって、未蘭と出会えたから、また生きていけるんだ。絶望の暗闇にいた俺を救い出してくれたんだ。…消えないでくれよっ…」

「…消えっ、たくない。私、消えたく、うっ、ないよ……」

「俺、目が見えなくても、未蘭がいてくれればそれだけで…光なんだよ」


こらえていた涙が零れると、あとはボロボロと止まらない。溢れ出る涙を抑えることはできなかった。
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