契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
「ミクは元彼とよりを戻したいと思っているかもって、心配してる」

ミクははっきり言って真人の言葉に動揺している。

まさか私との別れを後悔してるなんて……

「ミク、ミクは俺の妻だ、ミクとの関係を変える気持ちはない」

省吾はミクの腕を引き寄せ抱きしめた。

省吾さんは私との契約結婚を解消するつもりがないって事?

私はどうすればいいの?

「ごめんなさい、頭の中が混乱して、少し時間をください」

ミクは省吾の腕をすり抜けて、自分の部屋に入った。

省吾は危機感を拭いきれなかった。

いくらミクと夫婦とはいえ、書類上の関係だとミクは思っている。

俺がこんなにもミクを愛しているなんて、思いもしないだろう。

俺とミクは単なる契約結婚の関係だ。

あ?、こんなことなら俺の気持ちをはっきり伝えておくべきだった。

いや、待てよ、伝えたとしても、ミクの気持ちが俺に対してないなら、

結果は同じだろう。

このままでは元彼にミクを取られる。

ミクは元彼に対して未練あるんだからな。

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