契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
「すみません、ミクが引っ越してしまって、ずっと探してて、やっと見つけたんです」

ミクは驚きの表情を見せた。

「私を探していたなんて、だって私は振られたんだよね」

「ごめん、後悔したんだ、ミクを失って大切さがわかった」

「そんな……」

省吾はミクの腕を掴んで、部屋に入った。

「ミクは俺の妻だ、帰ってくれ」

省吾はミクにソファに座るように促した。

ミクは明らかに動揺している様子が伺えた。

「ミク、大丈夫か」

「あっ、はい、省吾さんはどうしたんですか、お仕事は?」

「ミクが心配になって帰ってきた」

「えっ」

「書類、届けてくれたんだな、ありがとう、助かったよ」

「あっ」

「声をかけてくれたら良かったのに」

「だって……」

「もしかして、取引先の由美子さんに抱きつかれたところを見て、勝手に勘違いしたのか」

「勘違い?」

「由美子さんとはなんの関係もないよ」

「でも……」

「それより、俺はミクの元彼の出現の方が一大事だよ」

「どうしてですか」

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