幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
「へえー、では既に桐生グループのマンションで演奏活動をしているんですね?栗田さんは」

デスクについてから、四人で話をする。

「はい。来週もまた新しく訪問するマンションで、クリスマスコンサートを予定しています」
「それは、住人の方向けですか?」
「そうです。小さなお子様からご年配の方までいらっしゃるので、どの年代の方にも楽しんで頂けるよう、選曲を考えています。皆様に気軽に楽しく音楽に触れて頂きたいと、毎回色々と工夫しています」

なるほど、と頷く田畑の横のデスクから、川辺が身を乗り出してくる。

「その日、俺も聴きに行っていいかな?」
「はい、もちろん。あ、社長の許可が必要かな…」

そう言いながら朱里はチラリと隣のデスクの瑛を見た。

「いえ、大丈夫です。土曜日なのですが、ご都合がつけば是非いらしてください」

瑛が笑顔で二人を誘うと、田畑も川辺も頷いた。

「予定ないので、行きまーす」
「がんばってね、朱里ちゃん」
「ああっ!お前、どさくさに紛れて名前呼びかよ?!」

あはは!とその後も楽しく話は弾んだ。
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