【SR】だるまさんが転んだ
同じ事を呟かなくては、脳が理解してくれないと思った。


呟いている間にズレてしまっていたピントをトラックに合わせていると、少年達は楽しそうな声を上げながら荷台から降りている所だった。


俊介に少年達の言葉の全てを理解出来た訳ではないが、生き生きとしたその表情からそう感じ取ったのだ。


これからゲームセンターにでも行くように、少年達の瞳は輝いている。


無論、この国にそんなものはない。


俊介が感じ取ったのは、日本ならばという意味だ。


少年達に囲まれたのは、中身を表記していない銀の缶詰を地べたに並べた店だった。


取り囲んだ少年達で詳しくは見えなかったが、数発の銃声が響いた後に、その店は元から其処になど無かったように消えた。


代わりに残されていたのは、缶詰を売っていた男の死体だけだった。


離れていても、穴の空いた身体から泉のように血が広まっていき、心の臓に突き立てられたナイフが、俊介が死体と認識した決定打だ。


そしてそのナイフは、あの最年少の少年が弄んでいた物だった。
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