【SR】だるまさんが転んだ
振り向いた先に居た人間を見て、俊介は驚きを隠せなかった。


そこに立っていたのは、無垢な瞳の美少女に酷似している少年だった。


日焼けの影響も有るだろうが、浅黒い肌に爽やかさを感じる短髪。


端整な顔立ちは大人びた様子を見せるが、年の頃は先ほどトラックに乗ってきた少年達と変わらないだろう。


先の少年達と違うのは、俊介に向けられていた自動小銃に真新しさが見える事だった。


そして、そのトリガーには長く伸びた指が未だ添えられている。


俊介が振り向いたといっても、何時でも撃てる状態だ。


直ぐに、この二人が兄と妹だという事は分かった。


だが、顔立ちは酷似しているが、全く違う点が有る。


それは、切れ長な瞼の奥にある瞳だった。


暗さとは違う、何処までも深く深い色を宿した瞳。


十六、七の未だ少年と分類される彼が、何を見てきてその色の瞳になったのか、俊介は聞き出したくて仕方なかった。
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