Lost at sea〜不器用御曹司の密かな蜜愛〜
「まぁ……宗吾がそう言うのならはっきり聞くけど、避妊しないでしたことってある?」
そんなことを聞かれるとは思っていなかったのか、宗吾は気まずそうに視線を逸らす。その様子を見た六花は、疑惑が確信に変わるのを感じた。
「なるほど、図星なのね」
「……い、一度だけ……」
「ふーん、やっぱりあったんだ。信じられない」
「ごめん……浴室でした時に、夢中になり過ぎて……」
申し訳なさそうに頭を下げた宗吾に、六花はため息をつく。
「その一回でまーちゃんを妊娠したんだ」
ただ今はそのことを責める気はなかった。宗吾の頬を両手で挟んで顔を上げさせる。
「避妊をし忘れるなんて最低なことよ、わかってる?」
「わかってる……反省してる」
「それなら良いんだけど」
落ち込んだ様子の宗吾の頬を撫でながら、苦笑いをする。
「でもね、ふと思うこともあるのよ。あの時にできた子だから、まーちゃんが生まれたのよね。これが一ヶ月でもズレて、ましてや相手が宗吾じゃなかったら、まーちゃんは私のお腹にやって来なかったし、この世に生まれることはなかった。そう考えると、命って本当に奇跡なんだと思うの」
まーちゃんを授かったことで、今まで知ることのなかった新しい愛を教えてもらえた。
「まーちゃんと出会えて幸せだった。だから、それに関しては宗吾に感謝してる。ありがとう」
「六花……」
「余計な発言と、うっかりミスはダメだけど」
「今後は絶対にしないと誓います」
すかさず言い放った宗吾の真面目すぎる表情に、思わず吹き出してしまう。
「その言葉を信じる」
二人は笑い合いながら、お互いを強く抱きしめる。すぐに抱きしめられるくらい、大切な人近くにいることがこんなにも嬉しい。
「今度指輪を買いに行こう。新居と結婚式場も見に行かないと……。その前にまーちゃんの一歳の誕生日プレゼントと、写真も撮りに行きたいなーー」
「そうね。やることがたくさんだわ」
「でも幸せな忙しさだよな……」
二人は照れたように見つめ合うと、どちらからともなくキスをする。
家族になるまでの道のりは険しく、一筋縄ではいかなかった。彼のことを忘れて娘と二人で生きていこうと思ったことだってある。
でも宗吾が諦めないでくれたおかげで、私たちの絆は再び紡がれ始めた。
これからは壁があれば二人で支え合って乗り越えればいいし、嬉しいことは分かち合えばいい。
どんなことでも共有出来る人がそばにいることは、心にあった不安を取り除き、安心させてくれた。
「愛してるよ、六花」
六花は頬が緩み、目頭が熱くなる。以前のようにどうしたらいいのかわからなくて、言葉を探しているだけの不器用な彼じゃない。
頭で考える前に、宗吾の口からこの言葉が聞けるんだもの。これは彼の心からの言葉だと思える。
だからきっともう大丈夫。
私たちの始まりは大学のワインのサークルだった。いがみあった時期もあるけど、その経験があったからこそ、これ以上の人はいないと思えるくらい距離が縮まった。
今の私たちを例えるならば、様々な工程を経て出来上がったばかりのワインみたい。これからたくさん家族での思い出を積み重ねて、もっともっと味も絆も深まっていくはず。
【End】
そんなことを聞かれるとは思っていなかったのか、宗吾は気まずそうに視線を逸らす。その様子を見た六花は、疑惑が確信に変わるのを感じた。
「なるほど、図星なのね」
「……い、一度だけ……」
「ふーん、やっぱりあったんだ。信じられない」
「ごめん……浴室でした時に、夢中になり過ぎて……」
申し訳なさそうに頭を下げた宗吾に、六花はため息をつく。
「その一回でまーちゃんを妊娠したんだ」
ただ今はそのことを責める気はなかった。宗吾の頬を両手で挟んで顔を上げさせる。
「避妊をし忘れるなんて最低なことよ、わかってる?」
「わかってる……反省してる」
「それなら良いんだけど」
落ち込んだ様子の宗吾の頬を撫でながら、苦笑いをする。
「でもね、ふと思うこともあるのよ。あの時にできた子だから、まーちゃんが生まれたのよね。これが一ヶ月でもズレて、ましてや相手が宗吾じゃなかったら、まーちゃんは私のお腹にやって来なかったし、この世に生まれることはなかった。そう考えると、命って本当に奇跡なんだと思うの」
まーちゃんを授かったことで、今まで知ることのなかった新しい愛を教えてもらえた。
「まーちゃんと出会えて幸せだった。だから、それに関しては宗吾に感謝してる。ありがとう」
「六花……」
「余計な発言と、うっかりミスはダメだけど」
「今後は絶対にしないと誓います」
すかさず言い放った宗吾の真面目すぎる表情に、思わず吹き出してしまう。
「その言葉を信じる」
二人は笑い合いながら、お互いを強く抱きしめる。すぐに抱きしめられるくらい、大切な人近くにいることがこんなにも嬉しい。
「今度指輪を買いに行こう。新居と結婚式場も見に行かないと……。その前にまーちゃんの一歳の誕生日プレゼントと、写真も撮りに行きたいなーー」
「そうね。やることがたくさんだわ」
「でも幸せな忙しさだよな……」
二人は照れたように見つめ合うと、どちらからともなくキスをする。
家族になるまでの道のりは険しく、一筋縄ではいかなかった。彼のことを忘れて娘と二人で生きていこうと思ったことだってある。
でも宗吾が諦めないでくれたおかげで、私たちの絆は再び紡がれ始めた。
これからは壁があれば二人で支え合って乗り越えればいいし、嬉しいことは分かち合えばいい。
どんなことでも共有出来る人がそばにいることは、心にあった不安を取り除き、安心させてくれた。
「愛してるよ、六花」
六花は頬が緩み、目頭が熱くなる。以前のようにどうしたらいいのかわからなくて、言葉を探しているだけの不器用な彼じゃない。
頭で考える前に、宗吾の口からこの言葉が聞けるんだもの。これは彼の心からの言葉だと思える。
だからきっともう大丈夫。
私たちの始まりは大学のワインのサークルだった。いがみあった時期もあるけど、その経験があったからこそ、これ以上の人はいないと思えるくらい距離が縮まった。
今の私たちを例えるならば、様々な工程を経て出来上がったばかりのワインみたい。これからたくさん家族での思い出を積み重ねて、もっともっと味も絆も深まっていくはず。
【End】


