10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

エレベーターが到着してドアを押さえてくれた。

「ありがとうございます」

ぺこりと頭を下げてドアが閉まる。

「ぷっ」

「何?」

「いや可愛いなと思って(笑)」

「でも言われたら嬉しいでしょ?」

「まあな」

10階についた。


「この前来れなかったから、残念がってた」

「え?誰が?」

ドアを開けると谷口くんの姿が見えた。

「え?え?」

土屋の袖を引っ張る。

「いらっしゃいませ」

2人はカウンターに座った。

「ここで働いてたの?」

「うん、敬大から聞いてなかった?」

「うん」

「驚かせたくて(笑)」

「ごめんね、この前ワインで眠くなっちゃって」

敦美は両手を合わせて謝った。

「いいよ、今日は何呑む?」

「あまり強くないものがいいな」

「カクテルとか?」

「呑んだことないの、テレビとかでみると綺麗よね」

「じゃあ、テレビで見た事あるようなものにしようか(笑)」

谷口くんは液を入れてシャカシャカし始める

「わっ、凄い初めて見る(笑)」

敦美の前に置かれる。

「わー、可愛い」

「カクテルには意味があるんだ、これはスタンダードにスクリュードライバー、意味はあなたに心を奪われました……敬大より」

「キャッ、素敵」

「そんなキザなことできねーよ」
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