10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
「凄いね、谷口くん」
「凄いのかな〜、仕事だからね」
「うん、自分が出来ない事ができる人って凄いよ」
「敦美は凄いが口癖だもんな(笑)」
「そうなの、土屋くんに言われて気づいたの」
「まだ土屋くん呼び?」
「恥ずかしくて呼べないの……」
敦美は照れた。
「(笑)また敬大はしばらく会えないな」
「うん、でも帰ってくるよ、敦美も来てくれるし、なっ」
「うん」
「良かったな」
土屋の方にショットグラスが出された。
「まだ、片付いてねえけどな……」
敦美は土屋の方を見た。
「それも1口ちょうだい」
「ダメ、強いから敦美は酔う」
「ちょびっと……」
敦美に可愛くお願いされると断れない。
ショットグラスを渡した。
「……ん」
ゴクッと1口飲むと苦い顔をした。
「ほら、キツイだろ」
「うん、やめとく」
「炭酸系のにする?下田は」
「うん、お願いします」
入り口が開くと朋絵が入ってきた。
「見つけた」
「……いらっしゃいませ」
普通に土屋の隣に座る。
「いつもの」
谷口くんがカクテルを作り始める。
敦美は谷口くんを見た。
困ったような顔をしている。
「こんばんは」
朋絵は敦美に挨拶をしてきた。