10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「あっ!」

「な、何?」

「Soilって土っていう意味なんでしょ?もしかして土屋からつけたの?」

「あ、そうだよ、祖父がつけたんだ」


「私ね、バドミントンの遠征でアジアのHOTELをよく利用してたのよ、それですっかり気に入っちゃって働きたいと思ったの、でも凄い倍率で入社試験も面接も3日間、体育大学いってるのに、希望がHOTELなんてやっぱりねーって思ったんだ、でも地元にパートとかでも求人でたら応募したいなってホームページをよく見てた(笑)」


敦美はむしろ楽しそうに語ってくれた。

思っていた反応と違うから緊張がどこかへ飛んでいった。

「何て言ったらいいかわかんないけど、何かごめん」

「どうして土屋くんが謝るの?」

「身内入社で申し訳ない……」

「ふふっ、当たり前じゃない、変なの(笑)」

ボスッ、土屋は敦美の肩に頭をつけた。

「どうしたの?」

「嫌われたらどうしようって緊張してたのに気が抜けた」


はぁーっと大きな深呼吸をした。


「何でよ、職業で土屋くんのこと嫌いにならないよ(笑)なんならもっと早く教えてくれてたらこの部屋もゆっくり楽しめたのに」


「そうか」

「お金どうだろって心配してたの」
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