10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

ソファになだれ落ちた。


「何か兄貴でも抜けることあるんだ、意外」

「俺、何やってんだろ」

「私に会わすことだけ必死だったんだろ」

うんと頷いた。

「まあゆっくり付き合うよ、やる事はまだまだある」

「そうだな、まあいいお嬢さんだと思うよ」

「俺も敦美さん大好き、兄貴が別れたら付き合いたい(笑)」

「おい!……」



紙袋を持って敦美と母親は部屋から出てきた。

「送ってくる」

晃大に背中をポンと軽く押された。

「敦美さん、今日はお疲れ様」

「お疲れ様、晃大くん、ゆっくり休んでね、明日筋肉痛だよ(笑)」


「俺は若いからもう痛みがきてる、兄貴と違って」

「晃大!」

ふふふっ、2人とも可愛い……


土屋くんのご両親にも挨拶をして、土屋家を出た。

「やっぱりグラタンが1番美味しかった」

「うん……」

ん?また何か考えてる……


駐車場に着くまで土屋くんは無言だった。


時々1人の世界に入ってる時がある土屋くんは無口になる。


いつもの場所に停めるとエンジンを切った。

「どうしたの?また何か考えてる」

「うん……付き合う時にゆっくりいこうなんて言ったのに、俺の都合で敦美を振り回してばっかだよな」


「私、言ったじゃない、急じゃない?って」

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