10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「敦美、今週末帰るからちゃんと話そう」

「びっくりした、聞いてたの?」

「いや、今繋がった、清志が悩んで店に来てるってLINEくれて、まだ会社だから帰ったら連絡するな」


「わかった」

谷口に携帯を返した。


「もう、ここに来た意味ないじゃん」

「話が将来の話だったからさ、俺じゃないかなと思って、ごめんな」


「まあ今週帰ること知らなかったから良かったけど(笑)」


「敬大は何を言ってもちゃんと考えて答えをくれるやつだよ、小さい時から社長になる覚悟は出来てるから院まで進学して経営の勉強もかなりやってる、土屋グループの社長っていうのはかなり大変だ、お父さんが下田に話した事も家族にも言わないと思う、マイナスにとらえずにお父さんに信頼されているとプラスに取る事がいいんじゃないかな、まっ、何の教養もないバーテンダーの言うことなんて流してくれても構わないからな(笑)」



「ありがとう、楽になった……谷口くんはバーテンダーの前に友達だからちゃんとアドバイス受け止めるね……帰るね」


夜に土屋くんから電話があったがお父さんの事はちゃんと会ってから話そうと思い、土曜日の夕方に会う約束をした。

< 186 / 194 >

この作品をシェア

pagetop