10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「ただいまぁー」

車を20分ほど走らせて自分の家に着いた。

「おかえり、あっちゃん」

リビングのソファにはお父さんが座ってテレビを見ている。

テーブルにはビールが置いてある。

「あれ?お母さんは?」

「お風呂」

私は冷蔵庫からビールを取り出し食卓に置かれてあったおかずをお父さんのテーブルに持って行き、プシュ!っと缶ビールを開けてお父さんと乾杯をして一気に呑む。

「あー、おいし!」

最近になってビールの美味しさがわかってきた。

「今日遅かったね」

「うん、みづほ姉ちゃんと話してたの」

「みづほちゃんとこのたっくん、手術するんだそうだな」

「そう、今日聞いたの、それでね私に若女将の代理を頼まれちゃって」

「あっちゃんが?」

「うん、助けてあげたいとは思うんだよ?でもやっぱり私には荷が重すぎると思うんだよねー」

おつまみも口に入れる。

「義姉さんは?」

「それが骨折したんだって」

「えっ、それは兄さんから聞いてないな」

「あっちゃん、おかえり〜」

お風呂上がりのお母さんの声がした。

「ただいま」

「お母さん、義姉さんが骨折したらしいよ、お見舞いに行かないと」

「ほんと?明日電話してみるわ」

お母さんもビールを出してきて呑み始めた。
< 4 / 194 >

この作品をシェア

pagetop