10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
「ただいまぁー」
車を20分ほど走らせて自分の家に着いた。
「おかえり、あっちゃん」
リビングのソファにはお父さんが座ってテレビを見ている。
テーブルにはビールが置いてある。
「あれ?お母さんは?」
「お風呂」
私は冷蔵庫からビールを取り出し食卓に置かれてあったおかずをお父さんのテーブルに持って行き、プシュ!っと缶ビールを開けてお父さんと乾杯をして一気に呑む。
「あー、おいし!」
最近になってビールの美味しさがわかってきた。
「今日遅かったね」
「うん、みづほ姉ちゃんと話してたの」
「みづほちゃんとこのたっくん、手術するんだそうだな」
「そう、今日聞いたの、それでね私に若女将の代理を頼まれちゃって」
「あっちゃんが?」
「うん、助けてあげたいとは思うんだよ?でもやっぱり私には荷が重すぎると思うんだよねー」
おつまみも口に入れる。
「義姉さんは?」
「それが骨折したんだって」
「えっ、それは兄さんから聞いてないな」
「あっちゃん、おかえり〜」
お風呂上がりのお母さんの声がした。
「ただいま」
「お母さん、義姉さんが骨折したらしいよ、お見舞いに行かないと」
「ほんと?明日電話してみるわ」
お母さんもビールを出してきて呑み始めた。